こちらのブログでは、会議ファシリテーターの渋谷雅人が、会社の朝礼や打ち合わせを活用して、社員の自主自律的な行動を促すヒントをお届けしています。
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問いかけは○○から始めよ!
問いを投げることで脳は自然に働きます。だからこそ、どんな問いを投げかけるかが重要になってくる、というのが、本日のテーマです。
まずは、こちらのふたつの質問を読んでください。
あなたはAとBどちらのコンピューターを買いたくなりますか?
A. われわれは、すばらしいコンピュータをつくっています。美しいデザイン、シンプルな操作法、取り扱いも簡単。一台、いかがです?
B. 現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しています。その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。一台、いかがです?
おそらく、多くの方がBを選ばれることでしょう。
Bには、コンピュータの作り手、販売する側の価値観や思い(信条)が織り込まれています。できあがった商品や製品のスペックや素晴らしさだけではなく、なぜそれを生み出したかの思いに触れていますね。人はそうしたところに共感をするものです。
実は、これは、サイモン・シネックの『WHYから始めよ!』の抜粋でした。
たいていの人は、何をするか?
どんな風にするか?
から考える。
つまり、外側から考える。
そうではなくWHYから、
内側から考えなさい。
というのが、サイモン・シネックの伝えるところです。

何を作るか、何を売るか、どうやって作るかの前に
会社はなぜ存在するのか?
社会にどんな価値を提供することを信条としているのか?
を考えるのです。
思考を外側からではなく、内側のWHYから始めて、そこからどうやって、何をと考えていくよう提起されています。
世界最高でも最安値でもないサウスウエスト航空が成功した理由
同書からの例をひとつ挙げます。
【サウスウエスト航空の事例】
1970年代、旅行客の航空機利用が15%という時代に、航空機に乗らない85%の利便性を考えた策を打ち出しました。
・低価格
・料金体系の簡素化(昼間の料金と、夜と週末の料金の2種類)
サウスウエスト航空が掲げた信条は、『私たちは、庶民のために戦う闘士』でした。
競合のユナイテッド航空とデルタ航空は低価格の商品で対抗しましたが、固定客がつかず4年で路線廃止という結果に終わっています。
サウスウエスト航空は、世界で最高の航空会社ではないし、いちばん安いとも限りませんでした。
しかし、存在する理由=WHYが明快であるということが勝因だったのです。
一方、ユナイテッド航空とデルタ航空はWHYなしに価格競争にだけ参加したのです。
顧客は、『私たちは、庶民のために戦う闘士』というWHYから始まり、そこから考えられたHOWやWHATを提供するサウスウエスト航空を選んだのです。

まとめ
よい答えはよい問いかけから導き出されます。
WHAYやHOWからではなく、WHYから問いをしてみましょう。
ここでみなさんに考えていただきたい問いかけです。
みなさんの組織・会社の存在意義は何ですか?
社会にどんな価値提供することを信条としていますか?
存在意義があるということは、逆に社会に価値提供をしていることの裏返しです。何のために存在するのか、誰にどのような価値を提供するのかを明確にすることからはじめましょう。

